音楽、映像、ダンス、写真で構成する新しい舞台。
戦後の復興を語る老人の身体から、現代的な問題を炙り出す意欲作。

10/09/02 老人ホームREMIX #2に向けて

横浜の老人ホーム「さくら苑」に来ました。

1999年に、ここで「お年寄りとの共同作曲」というプロジェクトを始めてから、延々と継続しているダラダラした活動がありまして、2006年に、本にまとめたりしました。さらに、今年の3月には、「老人ホームREMIX#1」という作品を作って公演をしたり、しております。

で、今回を最後に、1年間は、さくら苑には、行けません。ぼくが、海外になるからです。ところが、それでも、ネットを通じて、インドネシアにいるぼくと、横浜のお年寄りとのセッションをしよう、と目論むことになっていて、施設側も乗り気です。

インドネシアと日本のやりとりを、どうやって作品化するか。それが、2011年の後半か、2012年の始め頃に上演する計画の「老人ホーム・REMIX #2」になっていきそうです。本日は、ヴォイスパフォーマーの徳久ウイリアムがやってきたり、写真家の杉本文が来たりしています。この人たちは、#1の公演を見に来ていた人たちなので、なんとなく、あの#1を見に来た人から広がっていくような、そして、インドネシアとの遠距離作曲から、何かが始まりそうな予感です。

10/06/10 老人ホーム「さくら苑」にて

老人ホーム「さくら苑」に、10年以上通い続けています。
で、本日も、前回に引き続き、写真家の杉本文さんが見学に来られて、前回の写真を見せてくれたりしました。「老人ホーム・REMIX」という作品では、上田謙太郎さんが映像撮影をして、映像素材から再構成して作品を作ったわけですが、写真というのも、可能性がありそうです。

で、ぼくは、秋からインドネシアに住む予定なのですが、インドネシアとさくら苑で、skypeやUstreamなどでやりとりして、共演するようなこともやりたいな、という話が浮上してきています。

しかし、お年寄りたちは、近頃ドラミングにはまっていまして、これが、なかなかのグルーヴ感なのです。11年前から、ずっとセッションに参加し続けている樋上さんだけでなく、ここ1、2年でメンバーになってきた新規加入のお年寄りたちも、だんだん即興力が上がってきているのです。80代を過ぎて以降にも、人は能力が向上するのだと思います。彼らの半分以下の年齢であるぼくにとって、80を過ぎても能力が向上するのだから、41のぼくにだって、まだまだ大きな可能性があるのだ、と勇気や希望をもらいます。

2011年度に、「老人ホーム・REMIX #2」が行いたい。それに向けて、少しずつ充電中の、まったりとした素敵な時間がありました。

10/05/17 老人ホームの写真撮影

老人ホーム「さくら苑」に来る。1999年以来、10年以上通い続けているのです。さくら苑での共同作曲については、本にも書きました。

3月に上演した作品「老人ホームREMIX」は、さくら苑でのセッションを映像記録したものです。7月17/18日に、この作品を福岡で一部再演する予定です。また、老人ホームREMIXについては、以下のウェブマガジンに原稿を書いたので、こちらも参照ください。
http://www.yaf.or.jp/yccmag/vol5/report01.html

ということで、本日、さくら苑に行きまして、10年以上つづく共同作詞作曲は、継続中で、月曜日〜金曜日まであった歌詞は、10年近く前に現在の状態でできあがっていたのですが、突然、今日になって土曜日を作り始めました。

それと、「なんちゃって詩吟」をやってみた。
「身内に愛されている人は、心が穏やかだ」とのことです。

そして、本日は、10年ぶりに写真家の杉本文さんが、見学に来てくれましたので、終わり際にお年寄りたちにご紹介したところ、突如、撮影大会になりました。これが、なかなか美しい写真が撮れるのです。お年寄りは絵になりますし、写真家の腕前はさすがです。映像をREMIXして音楽作品を作りましたが、写真からも何かができるかもしれませんね。

10/04/14 老人ホームに音楽がひびく

3月14日の「老人ホーム・REMIX #1」から1ヶ月、特別養護老人ホーム「さくら苑」を訪ねる。(老人ホーム・REMIXについては、予告編を参照ください)

14日の公演を見に来て関心を持たれたシンガーの中ムラサトコさんが見学に来られた。さくら苑のキムタクを自任するお年寄りの樋上さんは、全員でのセッションの中に微かに聴こえた中ムラさんの歌声について、とても良いので、一人で何か歌ってくれ、とリクエスト。さすがだ。そこから、飛騨高山の盆踊りを教わったりもする。

見学に来ている俳優の倉品淳子さんの持ちネタに、おじいさんをやる一人芝居があって、これが面白い。ぼくは、お年寄りを前にこれを演じてもらったら、どんな感じがするのだろう、と思い、リクエスト。すると、芝居が始まると間もなく、樋上さんが、この芝居にアドリブで参入.二人芝居になる。

お年寄りを演じる俳優の横で、お年寄りがお年寄りを演じる。すごい光景だ。もともと手に震えがあったりするのに、演技として、さらに震えを強調したりするわけで、ボケてないのに、ボケているふりをしたり、耳が遠いふりをする。でも、もはや、どこまでが演技で、どこからがリアルなのか、分からない。お年寄りが演じるお年寄りの演劇。あまりにも面白くって、腹を抱えて笑ってしまいました。

フィクションとリアルの境界が、曖昧になる。これって、言ってみれば、「なんちゃってジャズピアニスト」をやっている人の横で、本物のジャズピアニストが「なんちゃってジャズピアニスト」をやっている、ようなものですよね。自分で自分自身をパロディーしてしまうとは、さすがです。

あと、「老人ホームに音楽がひびく」の著者の大沢久子さんも、非常に久しぶりに来られました。こちらの本も地道に売れているようです。まだ、お読みでない方は、ぜひ。

そして、帰り際に、職員の方からお声がけをいただきました。

「私、明日で退職するのですが、9年程前に、ここで働き始めてすぐの時に、野村活動を担当させていただいたのです。その時以来、本日が2回目で、とても感慨深い思いでした。野村活動は、入所者のお年寄りから支持を得ている活動なので、すごく羨ましく思っていました。最後に参加できて、本当によかったです。ありがとうございました。」

とのことでした。このコメント、非常に嬉しく思いました。それと、まだ着手できていない、老人ホームの職員の方々が(ヘルパーとしてではなく)積極的に関われる活動に、どうやって展開できるか、を考えてみたい、と思いました。

10/03/10 老人ホーム・リミックス

いよいよ3月14日に、「老人ホーム・REMIX #1」が開催されます(収容人数が50名程度の小さな会場なので、当日は満席が予想されています。来ようと思っている方は、予約をすることをお薦めします)。

本日は、さくら苑のお年寄りたちの前で、本番と同じプログラムを上演して、見ていただきました。

これは、本当に面白い。と同時に、かなり手強い。お年寄りの演奏は色々ニュアンスもあって味わい深くて、とてもいいのですが、これを映像にして、編集することで、その中でも選りすぐりの場面ばっかりが凝縮されているわけです。この選りすぐりの映像に、野村がピアノで立ち向かうわけですが、こちらはライブなので、選りすぐりの濃縮度に見合う演奏をしなければいけないのが、これが、本当に大変だ、ということを思い知りました。ピアノの練習をしてきたんですが、まだまだ未熟者だと思いまして、明日から、さらに精進します。

お年寄りの一人に、こういうことをする意味はあるのか?と問われました。ぼくが創作をしたり、発表することに、何の意味があるのか?意味を問われても、建前上の意味はいくらでも言えるでしょうが、ここで問われていることは、そういうことではないですし、そんなことをこの場で言っても仕方がない。ぼくの答えは、ぼくが作曲したり、発表してしまうのは、性です。どうしてもそうしてしまう性なので、意味などを問う前に、作品をつくり発表してしまう。そしたら、お年寄りたちは納得してくれていたようです。

生きることの意味、食べることの意味、意味を考えても分からないけれど、でも、生きてしまうし、食べてしまう。音楽をすることの意味は分からないが、音楽をしてしまう。多分、死ぬ瞬間まで、音楽をしてしまうんだろう、と思う。それが、ぼくの人生なんだと思うのです。

そうしたぼくの人生であり音楽が、さくら苑のお年寄りたちと交わるコンサートは、3月14日です。

予告編は、こちら

10/02/15 映像作曲作業

老人ホーム・REMIX #1
というイベントを、3月14日に、BankART NYKで行います。
で、本日は映像編集作業、いや、厳密に言うと、映像作曲作業を行いました。
この作品は、

1 野村+老人による演奏(昨年8月〜今年の2月)
2 上田君が映像撮影(昨年8月〜今年の2月)
3 映像を編集し、野村が作曲(2月15日)
4 作曲された映像で音をそのままに、映像を差し替える(2月下旬)
5 その映像に合わせて、野村がピアノを演奏するコンサート(3月14日)

というプロセスになっていて、本日、映像を素材にREMIXした曲を、いくつも作りました。
できた曲は(仮タイトルで)、

1 たどたどピアノ組曲
    八木さん
    松崎さん
    八木さん夫婦
    ミックス
2 ドラムスコ
3 セッション
4 大正琴
5 ピアノと駄洒落

で、味わい深い音たちです。
さらに、

6 実際の八木さんの即興演奏
7 実際の大正琴の演奏
8 わいわい音頭

も、当日は登場します。
老人ホームでの映像を、ここまで手を加えたのは初めてですが、お年寄りのテンポ感や味わいが、より強調されて見えてきて、とても良い経験でした。
上田君、吉野さん、お疲れさま。

10/01/27 老人ホームREMIXのための撮影

3月14日に、横浜の馬車道にあるBankART NYKのライブラリーで、老人ホーム・REMIX #1というコンサートをします。老人ホーム「さくら苑」のお年寄りの演奏する映像と、野村のピアノ演奏によるコンサートで、今回は、撮影に行く最終回。映像撮影は、上田謙太郎くんです。

3人の男性による即興太鼓のトリオ

3人の男性に、見学に来られたダンサーや俳優の女性3人が加わったセクステット

全員での即興

などがありました。途中に入るお年寄りの気のきいた一言が、笑いや味わいを増します。それと、お年寄りたちの演奏する姿は、どうしてこんなに絵になるのでしょう?ある意味、体力的な衰えもあるだけに、無駄な力や無駄な動作が自然に省かれてしまうのかもしれません。
3月の公演に向けての映像の編集は、2月半ばに行うことに。長大な一作品を作るのではなく、複数の切り口から、いくつもの短編映像を作り、様々な可能性を立体的に見せたい。その映像とピアノで共演していくことで、全く違ったピアノ音楽を、立体的に示すこともできるでは、と考えています。非常に面白い作品が作れそうです。
ところで、お年寄りの中でも、野村誠との活動歴の長い樋上さんは、「無我の境地」と言いました。集団即興で、「無我の境地」になるといいのだ、と。全くだと思った。ぼくも演奏している最中、最初は、演奏が映像になった時に、ピアノの音があんまり入っていると、後で映像編集する時に使いにくい、とか考えて、その時間にいない瞬間もありました。しかし、そういう演奏は、作為的でやはり本物ではない。これではいけないな、と思い、今この場での演奏を心底楽しもうと思ったのです。
この作品づくりも、野村誠のポストワークショップなのですが、ポストを意識しすぎては、何も楽しくなくなってしまいます。
もう一度、ポストワークショップの問いを、掲げてみましょう。
プロセスを重視し、少人数で参加する人の主体的な発見や気づきにウエイトを置くワークショップ型の活動は、安心して表現できるアットホームな場を保証する(しかし)ーーーー→閉じた場(しかし)ーーーーーー→アットホーム(しかし)ーーーーー→
アットホームと閉鎖的なことは、表裏一体なのです。そして、ぼくは、このアットホームな場自体を肯定し、そのアットホームな場で起こっている創造的な出来事を、その魅力を失わずに、外とリンクさせていく方法について、模索しているわけです。そのことを、ポストワークショップというキーワードで考えているのが、BankART Schoolでの8回講義なのです。
このアットホームを肯定する、ということが、すごく大切な気がしています。

09/12/21 八木さん夫婦のピアノ連弾

3月14日にBankART NYKで開催する「老人ホーム・リミックス#1」に向けて、横浜の老人ホーム「さくら苑」で撮影。
ピアノを一人ずつに弾いてもらった。最初に、白鍵を一音ずつポツポツと上がっていったり下りてきたりして、味わい深く弾いてくれた斉藤さんは、ピアノを弾いたことがないと言っていたが、娘さん二人は音大に行ってピアノをやったとのことでした。大正琴を80年ぶりに弾いた八木さんは、ピアノもまずは左手から。でも両手での演奏が、なかなかいい。生まれて初めてピアノを弾いたらしい。
男性では、松崎さんが鍵盤を引っぱたくように弾くのが、パーカッシブでよかった。八木さん(夫)は、八木さん(妻)と連弾。夫婦連弾が素晴らしい。
最後は太鼓とピアノのセッションも。

09/11/25 お年寄りのドラミング

さくら苑。6人のお年寄りのドラミング。一人のお年寄りがトランスに入って、ちょっとびっくりしました。疲れたら手を変えて叩き続けるので、これ以上このまま続けたら体に負担があってもいけないと判断したところで、さすがに止めに入りましたが、こんなことは初体験でした。そのドラミングは凄かったです。

09/10/16 BankARTで打ち合わせ

横浜のBankARTに打ち合わせに行って来ました。近々、日程もお知らせできると思います。さくら苑の映像や野村誠の演奏でお届けするイベント。3月ごろを予定です。